緊急事態宣言中
あーあ。なんで目で追ってしまうんだろう。好きな友達と遊んでるのかなぁ。お買い物しに出てきたのかなぁ。ああ、男女がマスクしてるのにお互いの目を見てあっているなぁ。お互いの目を見てるなんてダサい表現やけど。今、私が最も望んでるものがすぐに目に入る。
今、在宅勤務もしてるが、どうしても出勤しなければならない仕事だから、週に1.2回電車に乗る。
朝はみんな会社に向かう人のみ、毎日同じ顔、どうしても行かなければならない人。
夕方、いろんな人がいる。競馬新聞を開いたおじさん、普段見ないような働いてる?と思うような人もいる。そんな中でもやっぱり自分のしたいことを今してる人に目がいく。
友達と出かけたように見える学生。
駅のホームで男女が見つめ合っている姿。
3ヶ月前、恋人ができた。家も近い。電車で1時間の距離。会おうと思えば会うことだってできる。
でも、そんなことできない。お互いわかっている。不用意に会って、もしかしたら、相手を感染させてしまうのかもしれない。
この春から働き始めた。卒業ぶりに会いたい人がいる。仕事はどう?と話したい人がいる。
外を歩きたい。他人と距離を気にしながら歩くことなく、気にせず歩きたい。草の匂いや花の匂いをかいで。
電車は毎日同じ時間、決まった時間を走り続ける。何も変わらない。でも、私たちは変わらざるおえない。生活を変えて、何もかも制限し、自粛し続ける。先が見えない日々を過ごす。決まった約束も一切できない。また、会おうね。が本当にまた会えるのかもわからない。
不安を積み重ねながら、今日も電車に乗って会社に行く。いつか、またこの電車が満員になり、座れなくなるようにならなければ、誰にも会うことはできないだろう。何も確証がなければ何もできない。